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船岡温泉 [京都府の温泉]

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2015.2

京都市

430円

  天然温泉ではない。上方では浴場を温泉と呼んだらしい。

京都市街地の北寄りに位置し、町並みに溶け込んで静かに営業している。昨今はやりの、多機能で広大でサービス満点な温泉施設とは違う系統。あるいは、自然を愛でて静けさを味わうような温泉でもない。ここは、大正時代に作られた脱衣所、昭和レトロな浴槽で、その頃の銭湯の雰囲気を想像して味わう所だ。

近づかないと見つけられない控えめな建物に入り、狭い土間で靴を脱ぎ、狭い番台で料金を払い、脱衣所へ入る。櫛葉型キーのロッカーが並び、カゴもたくさんある。ドライヤーは30円。体重計あり。

脱衣所で目を引くのは、欄間の透かし彫りや天井の装飾の豪華さ。以前は旅館も営んでいたとのこと。すべて一階にある浴場から見上げる二階の凝った作りにも興味をそそられる。裸になったら狭い渡り廊下を通り浴槽へ。あわ風呂、打たせ湯、深い浴槽、サウナなどひととおり揃っている。浴槽は水色のタイル張り。薬湯があるせいか、独特の香りが室内に充満している。

ヒノキの露天風呂もある。周りが完全に囲まれた狭い空間で6人も入ればギリギリ。身体をさます場所も2人が立てる程度しかない。空などごくわずかな一角だけしか見えない。内湯もそうだが個々の浴槽が2~3人で目一杯というコンパクトさになっている。

しかし、狭くて小さくてギュッと圧迫された空間は懐かしさも手伝って意外と心地よい。裏を返せば、広さこそがいい事だという価値観を知らない間に刷り込んでいたのだ。

洗い場は20以上。銭湯なので石けん類は持ち込むか番台で買う。電気風呂は日本最古らしい。


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